Hearthstone環境考察

使用率をまとめたり環境予測をしたりします。Hearthstoneに関連するトピックをゲーム理論や統計学の視点から取り上げ…たりもできればいいですね…

パッチ11.2の環境予測【1日目】

追記:データが不完全だったようなので、再度予測を行いました。

ta9e2hs.hatenablog.com

 

 

パッチ11.2が適用されて1日が経過しました。現段階での環境予測を公表します。

docs.google.com

 

●備考

・データはHSReplay.netが公開しているものを用いました。

HSReplay.net - Unleash your potential

・「レジェンドランク~ランク5」の「過去1日」のデータから、「マッチアップごとの勝率」と「デッキ別の人口割合」を用いて予測を行いました。

・予測モデルについては以前の記事を参照ください。

環境予測に関する説明 - ta9e2hs

・グラフは横軸が時間、縦軸が人口割合です。

 

 

●結果

この予測は言わば「機械的に対戦を続けた結果のシミュレーション」であり、現実とは大きく異なります。それでも、その結果から読み取れることは少なくないため、その解釈をします。

 

1.残るデッキが多い

大抵の環境では、2~3種類のデッキがじゃんけんを繰り広げる結果になる場合が多いです。しかし現環境では、これまで以上に多様なデッキタイプがチャンスを持っていると言えます。

 

2.偶数パラディンのデッキパワーは高い

予測結果では偶数パラディンは終始高い割合を保ちました。これは上記の通りの群雄割拠の中、多くのデッキに勝てるパワーを偶数パラディンが秘めていることを示している、と解釈できます。

 

3.偶数シャーマン、クエストプリーストの台頭

偶数シャーマンは初日に多かったデッキの多くに有利なため、数を伸ばすと考えられます。偶数シャーマンが増えた場合、偶数パラディンと偶数シャーマン両方に有利が付いているクエストプリーストが増える可能性があります。

 

4.テンポメイジ、性悪ドルイド脆弱性

予測上、これら2つのデッキは絶滅します。組みやすさなどモデルで考慮しない要素があるためこれらが実際に消えることはないと思いますが、勝ち続けるのは難しいかもしれません。

ランク1~2におけるこれらのデッキが、ランク5に比べ極めて少なくなってしまった場合、この予測が当たったと言ってよいと思います。

 

5.コントロールプリーストの不安定性

コントロールプリーストは現段階でメジャーですが、似たようなデッキ相性を持つクエストプリーストに大幅不利であるため、どちらを使うか迷った場合にクエストプリーストが選ばれる可能性があります。

今回の分析ではウォーロックが伸び悩む結果だったためこのような結果になりました。ウォーロックが増えた場合、コントロールプリーストが強力な選択肢になる可能性は高いと思います。

 

6.環境に食い込む可能性のあるデッキ

環境の変遷次第では高い勝率を出せる可能性のある、Tier2入りが濃厚なデッキ群です。

ラクル・奇数・クエストの各種ローグデッキは3種ともにワンチャンスがあります。また、キューブロックと偶数ウォーロック、ビッグスペルメイジも食い込む可能性があります。

エストウォリアーもポテンシャルはありますが、上で挙げたデッキと比べると残りにくいと予想します。

 

7.ドルイドウォーロックの未知数さ

通常、"Other 〇〇" の枠はデータ不足のデッキ(≒ファンデッキ)で埋められますが、1日目のデータではドルイドウォーロックのOther枠の勝率が高く、「環境に残る」という結果が出てしまいました。この理由は2つ考えられて、

・新たなデッキタイプが発掘され、それが強い

・既存のデッキに新しいカードが入れられた結果Otherに分類された

のどちらかです。いずれにせよ、これら2ヒーローから環境に食い込むデッキが出る可能性があります。

 

 

●補足

環境初日のデータでは、どうしてもHSReplay側がデッキタイプの認識を誤るケースが多いです。そのため、数日待って安定したデータが出揃った後、改めて予測をやり直すかもしれません。