Hearthstone環境考察

使用率をまとめたり環境予測をしたりします。Hearthstoneに関連するトピックをゲーム理論や統計学の視点から取り上げ…たりもできればいいですね…

環境予測:天下一ヴドゥ祭(ポスト2月ナーフ)

ヴドゥ祭環境二度目のバランス調整から2日経ちました。現段階での環境予測を公開します。
docs.google.com

備考

  • 1,2シート目が短期予測のグラフとデータ、3,4シート目が長期予測のグラフとデータ、5シート目が予測に用いた勝率と0期目の使用率です。短期、予測に関しては次項で説明します。
  • グラフは横軸が時間、縦軸が使用率です。※時間軸と現実の一日が対応しているわけではありません。
  • 短期予測のグラフには可読性のため全期間を通した平均予測使用率が0.5%以上のデッキのみ掲載しています。データのページには全てのデッキの予測を掲載しています。
  • データはHSReplay.netが公開しているものを用いました。

    HSReplay.net - Unleash your potential

  • 「全サーバー」の「レジェンドランク~ランク5」の「最新パッチ」のデータから、「マッチアップごとの勝率」と「デッキ別の人口割合」を用いて予測を行いました。
  • データ不足により勝率が算出されていないマッチアップの勝率には、すべてのプレイヤーのデータによる勝率を適用し、それでも算出されない勝率は50%としました。
  • 予測モデルについては以前の記事を参照ください。

    環境予測に関する説明 - Hearthstone環境考察

  • 予測はラダーにおける使用率に限ります。

短期、長期予測に関して

これまでの予測記事と振り返りから、
・初動の使用率予測は実用に堪えるが、それ以降は殆ど意味をなさない
・使用率の順序予測としては無意味だが、長期的に使用率を維持し得るデッキ群の予測としては実用性がある
と感じたので、初動の予測(短期予測)と、使用率維持の予測(長期予測)に分けて考えることにしました。

どの期間に着目するかの違いであり、使用するモデルは全く同一です。
短期予測では、モデル中の0期目~100期目の結果に対して、使用率がどのように変化するかの解釈を行います。
長期予測では、モデル中の9500期目~10000期目前後の結果に着目し、最終的に正の使用率を維持できたデッキ群の紹介に留めます*1

結果の解釈

短期予測

①最初期
初日~二日目で人気だったデッキのうち、最初期にはミッドレンジハンター、奇数パラディン、奇数秘策メイジがこの順に使用率を伸ばします。一方でクローンプリースト、コントロールプリーストはほとんど横ばいの使用率になります。
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太い赤がミッドレンジハンター、太い青が奇数パラディン、太い黄緑が奇数秘策メイジです。

②第二陣
最初期の結果を受けて、奇数ウォリアーとコンボプリーストが使用率を伸ばします。
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太い黄が奇数ウォリアー、太い緑がコンボプリーストです。

③それ以降
その後は断末魔ハンター、秘策パラディンの使用率が増えると予測できました。特に秘策パラディンは爆発的に伸びる可能性を秘めています。
また、ミルドルイドや偶数パラディンも中堅下位として使用率を増やす可能性があります。
この段階になってもミッドレンジハンターや奇数パラディンの使用率はあまり減らない一方で、奇数秘策メイジとコントロールプリーストは減少すると予測できました。
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太い紫が秘策パラディン、太い橙が断末魔ハンターです。

 
※上記で紹介しなかったデッキは、初期には増えないと予測されたデッキということになります。

長期予測

・9500期~10000期辺りにかけての平均使用率が0.5%以上あるデッキは以下の11種類です。

秘策パラディン、ミッドレンジハンター、コンボプリースト、コントロールウォーロック、奇数ウォリアー、ズー、奇数パラディン、コントロールプリースト、アンダテイカドルイド、奇数クエストウォリアー、招集ハンター

11種類のデッキが残るというのはそこそこ多いように感じます。やはり今環境も明確なトップメタが存在しない群雄割拠の環境といえそうです。

・中でも前から4種類までのデッキ(秘策パラディン、ミッドレンジハンター、コンボプリースト、コントロールウォーロック)は長い間メタの中心に居座り続ける可能性が高いと解釈できます。
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太い青が秘策パラディン、太い赤がミッドレンジハンター、太い黄色がコンボプリースト、太い緑がコントロールウォーロックです。

以上です。

*1:モデルの性質として、使用率が0%になったデッキは以後ずっと使用率が0%のままとなるため、この段階で正の使用率を保っているならばこの期間までずっと正の使用率を保ち続けているということになります

12月後半~1月のデッキ使用率変遷と環境予測振り返り

①デッキ使用率変遷

概要

ナーフ実施後の12月21日~1月31日までのデッキ別の使用率をまとめたのでスプレッドシートとして公開します。
docs.google.com

備考

・データはHSReplay.netが公開しているものを集計しました。
hsreplay.net
・「レジェンド~ランク5」の「過去1日」の人口を、毎日20時頃に集計しました。技術的な問題で集計時間が大きくずれることがあるので、完全に正確なデータを集められたわけではないと思います。参考までに。
・1ページ目が推移のグラフです。横軸が日付、縦軸が割合を示しています。グラフには使用率平均が1%以上のデッキのみを掲載しています。
・2ページ目が生のデータです。こちらには全てのデッキの使用率を掲載しています。
・1/8にミッドレンジハンターと秘策ハンターの使用率が異常な挙動を見せていますが、恐らくHSReplayのデッキ分類ルールが変わったせいと思われます*1

雑感

雑感というか、データから読み取れる要素を拾い上げます。

・圧倒的ハンター環境の幕開け
多くのプレイヤーの予想通り、もともと多かったにもかかわらずナーフから逃れたハンターデッキの使用率が非常に増加しました。もともと多かったスペルハンターに加え、ミッドレンジハンターが大きく使用率を伸ばしました。また、少し間をおいてから秘策ハンターの使用率も増加し、これら3つのデッキタイプは未だに使用率上位争いをしているという状況です。
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太い青がスペルハンター、太い黄色がミッドレンジハンター、太い橙色が秘策ハンターです。

・プリ―ストの台頭
ハンター環境に対して、プリ―ストの使用率も向上しました。一月の半ばあたりはクローンプリ―ストが長い間使用率トップを維持し続けた他、コントロールプリ―ストも中堅上位をキープし続けています。
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太い赤がクローンプリ―スト、太い水色がコントロールプリ―ストです。

・中堅には2つの奇数デッキ
奇数ローグはナーフ適用後ずっと使用率5%前後をキープし続けています。また、奇数パラディンもナーフ後は絶滅寸前まで少なくなりましたが、結局は使用率を戻す結果になりました。
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太い緑が奇数ローグ、太い黄土色が奇数パラディンです。

・使用率を落としたデッキ群
最初期には使用率2位だった断末魔ハンターは緩やかに使用率を落とし続け、使用率上位とは言えない状況になっています。同様に使用率3~4位だったOTKパラディンもひと月で使用率を大きく落としました。12月終盤は使用者の多かった奇数クエストウォリアーも、ピーク時と比べると使用率は低迷しています。
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太い紫が断末魔ハンター、太い紺色がOTKパラディン、太いピンクが奇数クエストウォリアーです。

・一月中盤~終盤にかけて増えたマイナーデッキ
1月の中盤以降、メックトゥーンウォーロック、聖なる怒りパラディン、奇数メイジの3デッキがこの順に不穏な伸びを見せました。
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太い水色がメックトゥーンウォーロック、太い紺色が聖なる怒りパラディン、太い橙色が奇数メイジです。



振り返りは以上です。

②環境予測振り返り

概要

以前行った、「環境予測:天下一ヴドゥ祭(ポストナーフ)」に関して、使用率変遷を踏まえて振り返りを行います。
ta9e2hs.hatenablog.com

本論

環境予測において言及したものに対して順次振り返りを行います。

グラフの右側の方を見ると、多くのデッキ(15~20種類)が0以上の使用率を維持していることが見て取れると思います。
また、縦軸に着目しても、瞬間使用率が最も多い偶数シャーマンでさえ使用率40%を超えないという結果になりました。
これが意味するのは、明確なトップメタが存在せず、多くのデッキにチャンスがある状況であると言えます。

現在7種類のデッキが使用率5%以上を維持していて、使用率10%以上のデッキは存在しません。明確なトップメタが存在せず、群雄割拠の環境であるという予測は的中したと思います。

環境初期は、現在使用率の高いスペルハンター、断末魔ハンター、奇数ローグの3デッキがそのまま使用率を伸ばすと予測できました。
それにワンテンポ遅れますが、OTKパラディン、秘策ハンター、クローンプリ―ストの3デッキも使用率を伸ばすと予測できました。
これらほどの伸びはないものの、偶数パラディンも初期で使用率を伸ばすと予測されます。
一方で、現在使用率が高めの偶数ウォーロック、ミッドレンジハンター、テンポローグは使用率を落とすと予測されました。

スペルハンターと断末魔ハンターはもともと使用率が高かった上に2週間その状態を保ち続けたので、悪くない予測だったと思います。
奇数ローグは実際に環境初期に使用率を伸ばしました。
秘策ハンター、クローンプリ―ストが後追いで伸びるという予測、偶数パラディンの地味な増加予測も的中です。
OTKパラディンに関しては予測で言及したほどの像かはありませんでした。

マイナス側の予測に関しては、偶数ウォーロックとテンポローグは予測通り低迷しました。
一方でミッドレンジハンターは予測に反して使用率が跳ね上がりました。失敗その1です。

初期に流行るこれらのデッキに対して、偶数シャーマンが非常に相性が良く、使用率を増やすと考えます。

失敗その2にして最大の戦犯です。偶数シャーマンは一時期伸びこそしたものの全く流行らなかったので、これ以降の予測はパッパラパーになりました。

偶数シャーマンの流行に伴って、初期に流行るデッキのうち断末魔ハンター、OTKパラディン、偶数パラディン、クローンプリ―ストあたりのデッキは使用率を落とします。
一方で、スペルハンター、奇数ローグ、秘策ハンターはある程度高い使用率を保ち続けると予測できます。
偶数シャーマンが流行した場合、それに対してメックトゥーンウォーロック、奇数クエストウォリアー、キューブロックが使用率を伸ばすと予測できました。
また、これまで流行を経験しつつこの段階でも高い使用率が期待されるデッキは、スペルハンター、断末魔ハンター、秘策ハンター、偶数パラディン、奇数ローグ、偶数シャーマンの6デッキと予測できました。環境で長く戦えると予測できたこれらのデッキは、優先的にクラフトする価値があるかもしれません。

パッパラパー予測ですが、メックトゥーンウォーロック、奇数クエストウォリアー、キューブロックのワンチャン枠に関しては外れてはいないと感じました。
環境で長く戦えると予測したデッキ群は、実際に直近7日の勝率が52%以上あるのでクラフトする価値はあったんじゃないでしょうか。

大流行はしないものの堅実に生き残るデッキ群として、メックトゥーンクエストプリ―スト、奇数ウォリアー、コントロールプリ―ストが挙げられます。

奇数ウォリアーは絶滅危惧種です。メックトゥーンクエストプリ―ストってなんですか。

雑感

※少し細かいモデルの話になったので、興味のある方だけご覧ください。

今回の予測で大きく外れたのは、ミッドレンジハンター(前半)と偶数シャーマンの挙動に関してです。

ミッドレンジハンターに関しては、データ上の勝率はそこまでよくないのに使用率が減らないというよくある現象だったと感じます。
根拠として提示するのに十分なデータを揃えられていませんが、ミッドレンジハンター全盛期の使用率はランクが高くなるほど下がっていました。これはシャダウォックシャーマンにもみられた現象で、当然ですが勝率が低いのでラダーを勝ち抜くのが他のデッキと比べて難しい、ということを示していると思います。
上記の推測通りであれば、この問題はプレイヤーの合理性が限定的であるといった問題に発展するため、モデルの範疇を逸脱します。
予測モデルは予測と銘打ってはいるものの、実際には合理的な行動の結果を示す規範的理論の側面があるので、このタイプの乖離を考慮する意味は薄いと考えます*2

一方で偶数シャーマンが全く流行らなかった問題ですが、過去にこのようなアンケートを取ってみました。

Twitterのアンケートの信憑性の話はここでは控えますが、少なくない数のプレイヤーが「資産がない」という理由で偶数シャーマンを使わないという結果になりました。
偶数シャーマンは要求魔素数が高い上に、現環境で偶数シャーマンでしか使わないようなカードを多数要求されます。それらのカードの多くは他のカードで代替することが難しいものです。こういった要素は、現実的にはプレイヤーが偶数シャーマンの優先順位を下げる要素になっていると考えられます。
これまでの環境に関しても、奇数ウォリアーやコントロールメイジなどには代々こういった現象があてはまるように感じます。

予測に用いているレプリケーターモデルでは、プレイヤーが環境の中にあるデッキをいつでも使用可能であるというそこそこ強い仮定を置いています。しかしながら、多くのプレイヤーにおいて、使用するデッキを決定する上で資産の問題は切っても切り離せません。
つまり、実際には全てのプレイヤーが全てのデッキを使えるわけではないということです。この要素がデッキ相性と同等かそれ以上に働いているのが、偶数シャーマンや奇数ウォリアーなのではないかと考えています。

この問題を加味するためにモデルに追加しなければならない要素は、全てのデッキ間におけるデッキを変えることで必要になる魔素数です。持っているカードで代替できるデッキは使いやすく、多くのカードを作らなければいけないデッキは使いにくいという仕組みを導入する必要があります。
そこまでは理解していますが、そもそもどうやってそれを抽出するか(今のところ可能ではあるが非現実的な時間がかかる)、この要素がどの程度デッキ選択に関わるのか(重要とは言ったがどれほど重要かはわからない)といった面の課題をなかなかクリアできないので、結局今後も従来の予測を行うことになりそうです。

以上です。

*1:当然集計ミスかもしれませんが、他のデッキには何ら異常がないので可能性は低いと考えています

*2:この予測は、例えば「みんな使ってるけど実はよくない選択かもしれない」というような洞察を与えるもの、と考えています

天下一スタッツ祭:アリーナ編

数字で実力を示す時が来た!究極の報酬をつかむには、12人の特A級トロルプレイヤーたちを倒さなければならない。さあ、喧嘩だ!

概要

前回好評を頂いたスタッツ別集計「天下一スタッツ祭」のアリーナ編です。
ta9e2hs.hatenablog.com

天下一ブドゥ祭環境の闘技場で実際に使用されたカードのスタッツに着目し、使用率と平均勝率をまとめました。
集計データのスプレッドシートを公開します。
docs.google.com

備考

・データはHSReplay.netが公開しているものを利用しました。
hsreplay.net

・「全サーバー」の「闘技場」で「2019年1月25日から遡った過去14日間」の試合で用いられたミニオンの集計を用いました。
トークン生成系の呪文*1含めません
・複数のミニオンを生成するミニオン*2は、元々のカードに書かれている1体分のスタッツのみを勘案しています。
・闘技場のピックで出現しないミニオンは含めません。
・闘技場においてカードの出現率は一様ではありませんが、集計データには補正をかけません。

結果

今回の記事では、前回と同様に採用枚数部門、デッキ勝率部門の二種類の結果発表を行います。
各部門トップ5とワースト5、その中の代表的なミニオンを5体ずつ紹介します。

採用枚数部門

デッキの中に該当するスタッツのミニオンが平均して何枚採用されているか、のランキングです。計算式は

  \sum_{カード \in スタッツ}(カードの採用率)*(平均採用枚数)

です*3*4


採用枚数の分布は以下のようになりました。
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以下にランク上位、下位のスタッツを紹介します(右端の数字はスタンダードランク編のランキングです)。
そのスタッツ内で採用率の高いミニオン上位5種も合わせて紹介します。

1位:2/2 (1.55枚)(1)
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スタンダードランク編に引き続き、トップに輝いたのは2/2でした。
そもそも種類が多い*5ということもありますが、その中でも扱いやすいミニオンの多さが差をつけた要因になったのだと思います。
やはりアリーナでも菌術師は強かった。あと数か月あらゆる場面で見かけるに違いないですね。


2位:2/1 (1.52枚)(5)
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僅差で2/2に敗れたのは2/1。こちらはスタッツとしては「弱い」部類に入りますが、上位の顔ぶれを見るにアリーナにおいて強力な効果を持つミニオンが多数含まれることから採用枚数が増える形になったと思われます。


3位:2/3 (1.41枚)(6)
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ワニスタッツが3位にランクイン。スタンダードランクではラプタースタッツに敗れていましたが、闘技場では逆転しました。上位2スタッツに対して1:2交換が可能なため、現在の闘技場においては3/2より優先されるということでしょうか。


4位:3/3 (1.29枚)(2)
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2/2と同数の種類が存在する3/3ですが、闘技場ではランクを落としました。
ランク上位のスタッツと比べて感じたのは、3/3スタッツを持つミニオンは3コストのものが多く、逆に「高コストでスタッツは低いが効果が強力」というミニオンが少ないという点です。スタッツとしても3/2と相討ち、3/4に一方を取られるので特段優れているわけではありません。


5位:3/4 (1.20枚)(11)
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5位はスタンダードランクから大幅にランクを上げた3/4。3/3/4というスタッツが非常に強力で闘技場において人気が高いため、スタッツの平均を押し上げたという格好になっているのではないでしょうか。


ワースト5位タイ: 9/5, 0/7, 0/9(0.003枚)
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盤面の取り合いに参加できない攻撃力0のミニオンが並びました。前回最下位二冠だったコアハウンド君は今回なんと最下位を回避できました。やるわね。


ワースト4位: 9/6(0.002枚)
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特にコメントはないです。


ワースト2位タイ: 10/10, 20/20(0.001枚)
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きれいなスタッツが仲良くランクイン。スタン環境でデッキに入れられる10/10はメックトゥーンしか存在しません。


ワースト1位: 6/3(0.0009枚)
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驚くべきことに、ワースト1位を獲得したスタッツはフックタスク船長でした。
見るからに強そうな上位陣を翻しての最下位。確かに何から何まで闘技場向けではないカードなので、致し方ない面はあるかもしれません。
一応名誉のために言っておくと、採用されたデッキの勝率は特段悪いわけではない、むしろ高い部類に入るため、このミニオンがどうしようもなく弱いというわけではないと思います。


参考として、スタッツごとのミニオン種別数のグラフも掲載します。
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1/1や3/3, 4/4といった攻撃と体力が同じミニオンの種類は多いですが、闘技場においては種類の多さの割に採用率が下がる傾向にあるように感じます。
また、やはり体力が高めのミニオンの採用率は種類に比べて多くなる傾向にあると思います。
この中ではやはり2/1は特殊な傾向を見せているように感じます。個別の項目で述べた通り盤面に干渉する能力の高いミニオンが多いというのが高い採用率の理由であるように感じます。

平均勝率部門

そのカードが採用されているデッキの勝率の平均です。計算式は

  \begin{align}&\frac{\sum_{カード \in スタッツ}(カードの平均採用枚数*勝率)}{\sum_{カード \in スタッツ}カードの平均採用枚数}\\
\Leftrightarrow &カードが採用されているデッキの勝率の加重平均\end{align}

です*6


平均勝率部門は直接トップ5、ワースト5を発表します。
そのスタッツ内でデッキ勝率上位5種のミニオンも合わせて紹介します。

1位:12/12 (58.56%)
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平均勝率部門、堂々のトップに輝いたのはデスウィングとティランタスの12/12コンビでした。
ティランタスはそこまで高い評価を得ていませんが、力の化身の圧倒的存在感により首位を獲得しました。


ちなみに、これはデスウィングには内緒にしておいてほしい話なのですが、彼を使用した試合の勝率は45.4%と非常に低いです。一方、ティランタスを使用した試合の勝率はなんと63.3%もあり、これは全カード中6位の成績です。


2位:3/9 (58.18%)
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こちらも僅差です。2位にはヴォイドロード&ブラックガードの3/9コンビがランクイン。といってもブラックガードの採用率は非常に低いため、加重平均のランキングにおいては実質ヴォイドロードの功績と言えるでしょう。ランク戦でも嫌というほど見せつけられてきた継戦能力の高さが鍵でしょうか。


3位:3/15 (58.1%)
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これまた僅差で3位に入ったのはロード・ジャラクサス。上記のヴォイドロード含め、これらのカードは使用した際の勝率がデッキの勝率と比べてそこまで高いわけではありません。ウォーロックの重いカードを重視したデッキができればアリーナで強い、という意味に取れるかもしれません。


4位:6/6 (57.6%)
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ここに来て16種類のミニオンが含まれる6/6がランクイン。スタンダードランク編で見た通り、勝率部門ではニッチなスタッツが上位に入ることが多いだけに意外でした。
上位の顔ぶれを見るに、6/6は単体で仕事をする、汎用性の高いカードが多く含まれているため、採用されたデッキの勝率向上に貢献していると感じます。
実際に、ヒーメットを除けば上位陣のミニオンを使用した際の勝率は50%台後半~60%台と非常に高いです。


4位:7/7 (57.3%)
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5位には12種類含まれる7/7がランクイン。確かにパワーカードが多いです。
7/7はウーンダスタを除く全てが7マナか8マナであり、終盤のボードにおいてプレッシャーを与える役目を担いやすいのかもしれません。
バニラである戦のゴーレムでさえデッキ勝率が56%と高くなっています。




ワースト5位: 1/6 (52.5%)
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ワースト5位は1/6。3コスト相当、かつ体力の多いスタッツですが、3/2と2/3両方に相討ちをとられ、3/3以上には負けてしまうため、実は盤面干渉能力が低いです。そもそも該当するカードが弱いというのも問題だと思いますが。
ちなみに、森の案内人は闘技場全ミニオン最もピック率の低いカードです。


ワースト4位: 2/8 (51.7%)
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ワースト4位は2/8。パッとしないスタッツだし、面子もパッとしません。
ドラッカリの守備兵に至っては使用した試合の勝率が40%を切る危険なカードなので、闘技場向けではないと言えるでしょう。ランク向けでもないですが。


ワースト3位: 9/6 (50.8%)
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ワースト2位: 0/9 (48.5%)
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君たちはさっき見た。


ワースト1位: 20/20 (47.5%)
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というわけで、堂々の最下位を獲得したのはクライヤミでした。
このカードが一枚入っているだけで勝率を著しく下げるというだけでも問題児ですが、彼を使用した際の勝率は35.3%ととんでもない低さを誇ります。
基本的に、使用した際の勝率と使用することの合理性、採用する必然性は同値関係で語れませんが、ここまで低いと「こいつをプレイしてはいけない」可能性が非常に高いと感じます。



今回の記事は以上になります。
後日、同じデータを使ってこれ以外の集計も発表しようと思っています。

*1:例:ジャングルの遭難者

*2:例:メカンガルー、サロナイト鉱山の奴隷

*3:採用率*平均採用枚数によってカード毎の採用枚数の期待値が求められ、スタッツ別にこれらを合計することでスタッツ毎の採用枚数の期待値となります。

*4:ちなみに、全てのスタッツに関して採用枚数の和をとると23枚程度になりました。これは「アリーナにおいてミニオンは平均23枚ピックされている」という意味になります。ちなみのちなみに前回のスタンダードランク戦において同様の計算を行うと約14枚になりました。

*5:60種類、3/3と同数でスタッツ別トップ

*6:今回はスタンダードランク編と異なり、採用されている場合の採用枚数も勘案します。

環境予測:天下一ヴドゥ祭(ポストナーフ)

突然のナーフから1日半経ちました。現段階での環境予測を公開します。
docs.google.com

備考

  • 1シート目が予測のグラフ、2シート目が予測データ、3シート目が予測に用いた勝率と0期目の使用率です。
  • グラフは横軸が時間、縦軸が使用率です。※時間軸と現実の一日が対応しているわけではありません。
  • グラフには可読性のため全期間を通した予測使用率で上位のデッキのみを掲載しています。データのページには全てのデッキの予測を掲載しています。
  • データはHSReplay.netが公開しているものを用いました。

   Hearthstone Meta - HSReplay.net

  • 「全サーバー」の「レジェンドランク~ランク5」の「過去1日」のデータから、「マッチアップごとの勝率」と「デッキ別の人口割合」を用いて予測を行いました。
  • データ不足により勝率が算出されていないマッチアップの勝率には、すべてのプレイヤーのデータによる勝率を適用し、それでも算出されない勝率は50%としました。
  • 予測モデルについては以前の記事を参照ください。

   環境予測に関する説明 - 経済学と統計学とHearthstoneと

  • 予測はラダーにおける使用率に限ります。

結果の解釈

この予測は言わば「機械的に対戦を続けた結果のシミュレーション」であり、現実とは大きく異なります。それでも、その結果から読み取れることは少なくないため、その解釈をします。

群雄割拠

グラフの右側の方を見ると、多くのデッキ(15~20種類)が0以上の使用率を維持していることが見て取れると思います。
また、縦軸に着目しても、瞬間使用率が最も多い偶数シャーマンでさえ使用率40%を超えないという結果になりました。
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これが意味するのは、明確なトップメタが存在せず、多くのデッキにチャンスがある状況であると言えます。

環境初期

環境初期は、現在使用率の高いスペルハンター、断末魔ハンター、奇数ローグの3デッキがそのまま使用率を伸ばすと予測できました。
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太い赤がスペルハンター、太いオレンジが断末魔ハンター、太い黄土色が奇数ローグです。

それにワンテンポ遅れますが、OTKパラディン、秘策ハンター、クローンプリ―ストの3デッキも使用率を伸ばすと予測できました。
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太い紫がOTKパラディン、太い薄緑が秘策ハンター、太い濃緑がクローンプリ―ストです。

これらほどの伸びはないものの、偶数パラディンも初期で使用率を伸ばすと予測されます。

一方で、現在使用率が高めの偶数ウォーロック、ミッドレンジハンター、テンポローグは使用率を落とすと予測されました。
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見辛いですが太い臙脂が偶数ウォーロック、太いオレンジがミッドレンジハンター、太いピンクがテンポローグです。
初期に流行るデッキに不利マッチが多いというのが理由と考えられます。

偶数シャーマンの可能性

初期に流行るこれらのデッキに対して、偶数シャーマンが非常に相性が良く、使用率を増やすと考えます。
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太い水色が偶数シャーマンです。

偶数シャーマンの流行に伴って、初期に流行るデッキのうち断末魔ハンター、OTKパラディン、偶数パラディン、クローンプリ―ストあたりのデッキは使用率を落とします。
一方で、スペルハンター、奇数ローグ、秘策ハンターはある程度高い使用率を保ち続けると予測できます。

その後

ここまで来ると予測としての信憑性にはそこまで期待できませんが、ここで挙げるデッキは「環境次第で化ける可能性のある枠」として解釈しています。

偶数シャーマンが流行した場合、それに対してメックトゥーンウォーロック、奇数クエストウォリアー、キューブロックが使用率を伸ばすと予測できました。
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太い藍色がメックトゥーンロック、太いピンクが奇数クエウォリ、太い水色がキューブロックです。

また、これまで流行を経験しつつこの段階でも高い使用率が期待されるデッキは、スペルハンター、断末魔ハンター、秘策ハンター、偶数パラディン、奇数ローグ、偶数シャーマンの6デッキと予測できました。環境で長く戦えると予測できたこれらのデッキは、優先的にクラフトする価値があるかもしれません。

大流行はしないものの堅実に生き残るデッキ群として、メックトゥーンクエストプリ―スト、奇数ウォリアー、コントロールプリ―ストが挙げられます。


以上になります。

天下一ヴドゥ祭環境予測振り返り

以前公開した「環境予測:天下一ヴドゥ祭」の振り返りを行います。13日後に振り返り記事を書くとは思わなかったよ…

ta9e2hs.hatenablog.com

今回は期間が短いため、比較用にここ2週間の使用率変遷のまとめのリンクも公開します。

docs.google.com

使用率変遷はHSReplay.netのデータを集計したものです。

 

 

「結果の解釈」欄で言及したものに関して、一つずつ見ていきます。

 

1.環境初期を圧倒する奇数パラディン

初日の勝率では、奇数パラディンの強さが明らかに際立って見えます。圧倒的勝率で最初期の環境を席巻し、以後のメタは奇数パラディンを中心に回っていくと予想されます。

上の赤い実線が予測、下の赤い実線が実際の奇数パラディンの推移です。

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理論値ほど極端に増加したわけではありませんが、現実でもちゃんと奇数パラディンの使用率が1位になってくれました。これは正解と言って差し支えないと思います。

 

奇数パラディンに対抗する形で、以下のデッキが伸びてくると予想されます。

 

・偶数ウォーロック

・挑発ドルイド

・コンボプリースト

・マリゴスドルイド

 

中でも、特に偶数ウォーロックと挑発ドルイドが使用率を大きく伸ばす可能性が高い、と解釈できました。

一方で、初日に多かった以下のデッキはメタの変遷に伴って徐々に使用率を落とすと予測されました。

 

・スペルハンター

・奇数メイジ

・断末魔ハンター

・ズー

 

太い紫のグラフが偶数ウォーロック、太い黄緑のグラフが奇数メイジの推移です(上が理論、下が実際。理論では奇数メイジは早々に絶滅しました)。

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この二種に関しての予測も、概ね誤りではないと言えるのではないでしょうか。

これ以外にも、挙げたデッキのうちコンボプリ、マリドルはともに微増、挑発ドルイドはアンダテイカ型と合算すれば増加という結果になっています。また、スペルハンターとズーは使用率低下しています。

断末魔ハンターのみ現実では増加傾向にありますが、厳密には理論では増加のち減少という推移をたどっているため、誤りとは言えないと思います。

 

3.長期的に安定して存在しうるデッキ

環境がどのように変遷しても、比較的安定してよく使われると予測されるデッキは、

 

・奇数パラディン

・偶数ウォーロック

・スペルハンター

 の三種です。

 

三種のデッキは使用率上位に位置しているので、概ね正解だと思います。

 

この他にも、

 

・断末魔ハンター

・コントロールプリースト

・コンボプリースト

・挑発ドルイド

・秘策ハンター

 

は、上記三種には劣るものの比較的使用率が安定すると予測されました。

 

コンボプリースト以外は今の所概ね的中していると思います。

 

4.環境によってワンチャンスがあるデッキ

上記のデッキ以外に、環境の変遷次第で流行る可能性のあるデッキ群です。

 

・偶数パラディン

・クローンプリースト

・キングスベインローグ

・奇数ローグ

・メックトゥーンドルイド

 

一番の誤算はキングスベインローグの台頭でしょう。赤く太いグラフがキングスベインローグの使用率の理論です。

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この使用率推移の解釈をするとすれば、「奇数パラディンが台頭する間は鳴りを潜め、奇数パラディンに対するカウンターデッキが流行した頃、それへのカウンターとして使用率を伸ばす」という風になると思いますが、実際には実装直後から非常に多くのプレイヤーがキングスベインを振るいました。

 

最後に、予測で言及しなかったものの使用率の高かったデッキ群を示します。太い緑色のグラフがシャダウォックシャーマン、太い青色のグラフがOTKパラディン、太い臙脂色のグラフがテンポローグです。

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シャダウォックシャーマンはウィッチウッドから常に「データの勝率は低いが使用率が高い」という予測泣かせのデッキです。

 

 

以上です。

天下一スタッツ祭

ザンダラリの王にして偉大なるトロルの帝国の統治者・ラスタカンが全サーバーのミニオン達に号令をかけた。大いなる攻撃力と体力を見せつけ合う、史上最大のマウンティング大会を目撃せよ。この大喧嘩に飛び込むべく、最強のブラウザと最高のディスプレイを準備するのだ。勝者は全てを手に入れるだろう。読者は?そりゃ無駄な時間さ。

概要

天下一ヴドゥ祭中に使用されたカードのスタッツに着目し、使用率と平均勝率をまとめました。
集計データのスプレッドシートのリンクを公開します。
docs.google.com

備考

・データはHSReplay.netが公開しているものを利用しました。
hsreplay.net
・「全サーバー」の「スタンダード」の「レジェンド~ランク5」で「新拡張解禁以後全て」の試合で用いられたミニオンの集計を用いました*1
・集計は2018年12月15日に行いました。
トークン生成系の呪文*2含めません
・複数のミニオンを生成するミニオン*3は、元々のカードに書かれている1体分のスタッツのみを勘案しています。
・ジョーク記事ですので、真面目な考察は含まれません。

結果

部門ごとの上位(下位)スタッツと、そのスタッツ内の採用率Top3を紹介します。

採用枚数部門

デッキの中に該当するスタッツのミニオンが平均して何枚採用されているか、のランキングです。計算式は

  \sum_{カード \in スタッツ}(カードの採用率)*(平均採用枚数)

です*4


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※グラフにはミニオン全体で2%以上の枚数が採用されているスタッツのみを掲載しています。スプレッドシートの表には全て掲載してあります。


1位:2/2 (1.5枚, 10.4%)

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Top3を見れば納得がいくのではないでしょうか。採用枚数部門でトップに立ったのは2/2でした。
上記のカード以外にも、ゴルゴン・ゾーラ、クモ爆弾、縫い目、エドウィン等のカードが多く採用されました。
枚数制限にもかかわらず上位に食い込むケレセスis何


2位: 3/3 (1.45枚, 10.0%)

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2/2に惜しくも敗れ2位になったのは3/3。
上位のラインナップを見るとテックカードが目立ちます。採用率が極端に高いカードは少ないですが、3/3スタッツのカードが多数存在するため、全体の採用枚数を押し上げた形になりました。


3位: 1/1 (0.91枚, 6.3%)

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上位2スタッツと比べるとやや開きがありますが、3位には1/1がランクイン。
納得の上位陣もさることながら、初級エンジニアやスプリングポー等、タイプの違うデッキにそれぞれ異なる新兵スタッツが採用され、結果としてスタッツ全体の採用枚数が上昇する形になりました。


4位: 3/2 (0.84枚, 5.8%)

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3/3に相打ちが取れるが2/2に相打ちを取られるラプタースタッツは4位でした。
レジェンドながら3/2内の採用枚数ランキングでもジリアックスは堂々のトップを獲得しており、3/2の採用枚数ランクに大きく貢献しているといえるでしょう。


5位: 2/1 (0.82枚, 5.7%)

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5位には2/1がランクインしました。1/1と比べて2/1を積極的に採用するタイプのアグロデッキが少ないことで差がついたのではないでしょうか。


ワースト3位: 7/6 (0.0000152枚)
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ワースト2位: 8/2 (0.000012枚)
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ワースト1位: 9/5 (0.000006枚)
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特に言いたいことも無いのでノーコメントです。

デッキ勝率部門

そのカードが採用されているデッキの勝率の平均です。計算式は

  \begin{align}&\frac{\sum_{カード \in スタッツ}(カードの採用率*勝率)}{\sum_{カード \in スタッツ}カードの採用率}\\
\Leftrightarrow &カードが採用されているデッキの勝率の加重平均\end{align}

です*5


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※グラフには平均勝率50%以上のスタッツのみを掲載しています。スプレッドシートの表には全て掲載してあります。



1位: 2/5 (55.8%)

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天下一スタッツ祭デッキ勝率部門の栄えあるトップは2/5でした。
このスタッツを見た瞬間頭に疑問符を思い浮かべたかもしれませんが、回廊漁り蟲の姿を見た瞬間その疑問は晴れたことでしょう。
新環境で初期から圧倒的な勝率を誇っている奇数パラディンに採用される回廊漁り蟲が2/5スタッツの平均勝率を底上げする形となりました。
ツンドラサイや民兵指揮官など、他の採用率上位カードがそこまで大きく足を引っ張らなかった点も2/5の強さに貢献したといえるでしょう。


2位: 3/12 (54.7%)

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グリズリーのみが含まれる3/12が2位になりました。ミニオンの種類が多いことがむしろデメリットとなる場合のほうが多い勝率部門ならではのランクインですね。


3位: 10/10 (54.3%)

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またしてもスタンダードに於いてメックトゥーン1枚のみが含まれる10/10が上位に。
個人的にこの結果で一番驚くべきは、メックトゥーン軸デッキの勝率が54.3%もあったということです。OTK環境…


4位: 7/8 (54.2%)

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4位には7/8。一応三種類のミニオンが含まれますが、採用率の関係上貢献度の殆どはバクに依るものです。


5位: 6/2 (54.0%)

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LEEROOOOOOOOOOOOY JENKIIIIIIIIIIIIINS!


ワースト3位: 5/10 (37.8%)

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このカードを使いこなせればahirun氏がRTしてくれると思います。


ワースト2位: 0/1 (36.2%)

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最低スタッツがブービー賞を獲得。スタンダードに二種類しかいませんが、スタッツの対価として強力な効果を得られているというわけではないようです。



































ワースト1位: 9/5 (16.7%)

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また君か。








































以上です。9/5を救いたい。

*1:計764体。恐らく使用可能な全てのミニオンだと思います。仮に抜けがあったとしても、使用率が厳密に0であるということなので大きな問題ではないと思います。

*2:例:ジャングルの遭難者

*3:例:メカンガルー、サロナイト鉱山の奴隷

*4:採用率*平均採用枚数によってカード毎の採用枚数の期待値が求められ、スタッツ別にこれらを合計することでスタッツ毎の採用枚数の期待値となります。

*5:そのカードのデッキの勝率に対する貢献度を測定する場合は平均採用枚数も勘案すべきですが、レジェンドカードの評価が難しい点、カードを引くことなく勝率に影響を与えるゲンバク等のカードの評価が不可能になる点など勘案することによるデメリットの方が多いと判断したため、今回は枚数に依らず採用されたデッキの勝率のみを考慮しています。

環境予測:天下一ヴドゥ祭

 新拡張が解禁されて1日半経ちました。現段階での環境予測を公表します。

docs.google.com

 

●備考

・1シート目が予測のグラフ、2シート目が予測データ、3シート目が予測に用いた勝率と0期目の使用率です。

・グラフは横軸が時間、縦軸が使用率です。※時間軸と現実の一日が対応しているわけではありません。

・データはHSReplay.netが公開しているものを用いました。

HSReplay.net - Unleash your potential

・「全サーバー」の「レジェンドランク~ランク5」の「過去1日」のデータから、「マッチアップごとの勝率」と「デッキ別の人口割合」を用いて予測を行いました。

・データ不足により勝率が算出されていないマッチアップの勝率には、すべてのプレイヤーのデータによる勝率を適用し、それでも算出されない勝率は50%としました。

・予測モデルについては以前の記事を参照ください。

環境予測に関する説明 - ta9e2hs

・予測はラダーにおける使用率に限ります。

 

●結果の解釈

この予測は言わば「機械的に対戦を続けた結果のシミュレーション」であり、現実とは大きく異なります。それでも、その結果から読み取れることは少なくないため、その解釈をします。

 

1.環境初期を圧倒する奇数パラディン

初日の勝率では、奇数パラディンの強さが明らかに際立って見えます。圧倒的勝率で最初期の環境を席巻し、以後のメタは奇数パラディンを中心に回っていくと予想されます。

 

2.メタの変遷

奇数パラディンに対抗する形で、以下のデッキが伸びてくると予想されます。

 

・偶数ウォーロック

・挑発ドルイド

・コンボプリースト

・マリゴスドルイド

 

中でも、特に偶数ウォーロックと挑発ドルイドが使用率を大きく伸ばす可能性が高い、と解釈できました。

 

一方で、初日に多かった以下のデッキはメタの変遷に伴って徐々に使用率を落とすと予測されました。

 

・スペルハンター

・奇数メイジ

・断末魔ハンター

・ズー

 

3.長期的に安定して存在しうるデッキ

環境がどのように変遷しても、比較的安定してよく使われると予測されるデッキは、

 

・奇数パラディン

・偶数ウォーロック

・スペルハンター

 

の三種です。この他にも、

 

・断末魔ハンター

・コントロールプリースト

・コンボプリースト

・挑発ドルイド

・秘策ハンター

 

は、上記三種には劣るものの比較的使用率が安定すると予測されました。

 

4.環境によってワンチャンスがあるデッキ

上記のデッキ以外に、環境の変遷次第で流行る可能性のあるデッキ群です。

 

・偶数パラディン

・クローンプリースト

・キングスベインローグ

・奇数ローグ

・メックトゥーンドルイド

 

 

●予測が覆る可能性

完全に主観ですが、初日では新しいシナジーを使った強力なデッキが少ないように感じました。このため、今後出現した新しいタイプのデッキが環境を「荒らす」可能性*1は普段以上に高いかもしれません。

また、シミュレーションでは奇数パラディンが殆どのデッキを蹂躙してしまったので、メタが回って奇数パラディンの使用率が減った後に使用率の増えるデッキは他にもある可能性が高いです*2

 

 

以上です。

*1:cf:回復ズー

*2:モデルの性質上、一度使用率が0%になってしまったデッキは永久に0%のままとなるため