Hearthstone環境考察

使用率をまとめたり環境予測をしたりします。Hearthstoneに関連するトピックをゲーム理論や統計学の視点から取り上げ…たりもできればいいですね…

環境予測:天下一ヴドゥ祭(ポスト2月ナーフ)

ヴドゥ祭環境二度目のバランス調整から2日経ちました。現段階での環境予測を公開します。
docs.google.com

備考

  • 1,2シート目が短期予測のグラフとデータ、3,4シート目が長期予測のグラフとデータ、5シート目が予測に用いた勝率と0期目の使用率です。短期、予測に関しては次項で説明します。
  • グラフは横軸が時間、縦軸が使用率です。※時間軸と現実の一日が対応しているわけではありません。
  • 短期予測のグラフには可読性のため全期間を通した平均予測使用率が0.5%以上のデッキのみ掲載しています。データのページには全てのデッキの予測を掲載しています。
  • データはHSReplay.netが公開しているものを用いました。

    HSReplay.net - Unleash your potential

  • 「全サーバー」の「レジェンドランク~ランク5」の「最新パッチ」のデータから、「マッチアップごとの勝率」と「デッキ別の人口割合」を用いて予測を行いました。
  • データ不足により勝率が算出されていないマッチアップの勝率には、すべてのプレイヤーのデータによる勝率を適用し、それでも算出されない勝率は50%としました。
  • 予測モデルについては以前の記事を参照ください。

    環境予測に関する説明 - Hearthstone環境考察

  • 予測はラダーにおける使用率に限ります。

短期、長期予測に関して

これまでの予測記事と振り返りから、
・初動の使用率予測は実用に堪えるが、それ以降は殆ど意味をなさない
・使用率の順序予測としては無意味だが、長期的に使用率を維持し得るデッキ群の予測としては実用性がある
と感じたので、初動の予測(短期予測)と、使用率維持の予測(長期予測)に分けて考えることにしました。

どの期間に着目するかの違いであり、使用するモデルは全く同一です。
短期予測では、モデル中の0期目~100期目の結果に対して、使用率がどのように変化するかの解釈を行います。
長期予測では、モデル中の9500期目~10000期目前後の結果に着目し、最終的に正の使用率を維持できたデッキ群の紹介に留めます*1

結果の解釈

短期予測

①最初期
初日~二日目で人気だったデッキのうち、最初期にはミッドレンジハンター、奇数パラディン、奇数秘策メイジがこの順に使用率を伸ばします。一方でクローンプリースト、コントロールプリーストはほとんど横ばいの使用率になります。
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太い赤がミッドレンジハンター、太い青が奇数パラディン、太い黄緑が奇数秘策メイジです。

②第二陣
最初期の結果を受けて、奇数ウォリアーとコンボプリーストが使用率を伸ばします。
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太い黄が奇数ウォリアー、太い緑がコンボプリーストです。

③それ以降
その後は断末魔ハンター、秘策パラディンの使用率が増えると予測できました。特に秘策パラディンは爆発的に伸びる可能性を秘めています。
また、ミルドルイドや偶数パラディンも中堅下位として使用率を増やす可能性があります。
この段階になってもミッドレンジハンターや奇数パラディンの使用率はあまり減らない一方で、奇数秘策メイジとコントロールプリーストは減少すると予測できました。
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太い紫が秘策パラディン、太い橙が断末魔ハンターです。

 
※上記で紹介しなかったデッキは、初期には増えないと予測されたデッキということになります。

長期予測

・9500期~10000期辺りにかけての平均使用率が0.5%以上あるデッキは以下の11種類です。

秘策パラディン、ミッドレンジハンター、コンボプリースト、コントロールウォーロック、奇数ウォリアー、ズー、奇数パラディン、コントロールプリースト、アンダテイカドルイド、奇数クエストウォリアー、招集ハンター

11種類のデッキが残るというのはそこそこ多いように感じます。やはり今環境も明確なトップメタが存在しない群雄割拠の環境といえそうです。

・中でも前から4種類までのデッキ(秘策パラディン、ミッドレンジハンター、コンボプリースト、コントロールウォーロック)は長い間メタの中心に居座り続ける可能性が高いと解釈できます。
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太い青が秘策パラディン、太い赤がミッドレンジハンター、太い黄色がコンボプリースト、太い緑がコントロールウォーロックです。

以上です。

*1:モデルの性質として、使用率が0%になったデッキは以後ずっと使用率が0%のままとなるため、この段階で正の使用率を保っているならばこの期間までずっと正の使用率を保ち続けているということになります