Hearthstone環境考察

使用率をまとめたり環境予測をしたりします。Hearthstoneに関連するトピックをゲーム理論や統計学の視点から取り上げ…たりもできればいいですね…

環境予測:天下一ヴドゥ祭

 新拡張が解禁されて1日半経ちました。現段階での環境予測を公表します。

docs.google.com

 

●備考

・1シート目が予測のグラフ、2シート目が予測データ、3シート目が予測に用いた勝率と0期目の使用率です。

・グラフは横軸が時間、縦軸が使用率です。※時間軸と現実の一日が対応しているわけではありません。

・データはHSReplay.netが公開しているものを用いました。

HSReplay.net - Unleash your potential

・「全サーバー」の「レジェンドランク~ランク5」の「過去1日」のデータから、「マッチアップごとの勝率」と「デッキ別の人口割合」を用いて予測を行いました。

・データ不足により勝率が算出されていないマッチアップの勝率には、すべてのプレイヤーのデータによる勝率を適用し、それでも算出されない勝率は50%としました。

・予測モデルについては以前の記事を参照ください。

環境予測に関する説明 - ta9e2hs

・予測はラダーにおける使用率に限ります。

 

●結果の解釈

この予測は言わば「機械的に対戦を続けた結果のシミュレーション」であり、現実とは大きく異なります。それでも、その結果から読み取れることは少なくないため、その解釈をします。

 

1.環境初期を圧倒する奇数パラディン

初日の勝率では、奇数パラディンの強さが明らかに際立って見えます。圧倒的勝率で最初期の環境を席巻し、以後のメタは奇数パラディンを中心に回っていくと予想されます。

 

2.メタの変遷

奇数パラディンに対抗する形で、以下のデッキが伸びてくると予想されます。

 

・偶数ウォーロック

・挑発ドルイド

・コンボプリースト

・マリゴスドルイド

 

中でも、特に偶数ウォーロックと挑発ドルイドが使用率を大きく伸ばす可能性が高い、と解釈できました。

 

一方で、初日に多かった以下のデッキはメタの変遷に伴って徐々に使用率を落とすと予測されました。

 

・スペルハンター

・奇数メイジ

・断末魔ハンター

・ズー

 

3.長期的に安定して存在しうるデッキ

環境がどのように変遷しても、比較的安定してよく使われると予測されるデッキは、

 

・奇数パラディン

・偶数ウォーロック

・スペルハンター

 

の三種です。この他にも、

 

・断末魔ハンター

・コントロールプリースト

・コンボプリースト

・挑発ドルイド

・秘策ハンター

 

は、上記三種には劣るものの比較的使用率が安定すると予測されました。

 

4.環境によってワンチャンスがあるデッキ

上記のデッキ以外に、環境の変遷次第で流行る可能性のあるデッキ群です。

 

・偶数パラディン

・クローンプリースト

・キングスベインローグ

・奇数ローグ

・メックトゥーンドルイド

 

 

●予測が覆る可能性

完全に主観ですが、初日では新しいシナジーを使った強力なデッキが少ないように感じました。このため、今後出現した新しいタイプのデッキが環境を「荒らす」可能性*1は普段以上に高いかもしれません。

また、シミュレーションでは奇数パラディンが殆どのデッキを蹂躙してしまったので、メタが回って奇数パラディンの使用率が減った後に使用率の増えるデッキは他にもある可能性が高いです*2

 

 

以上です。

*1:cf:回復ズー

*2:モデルの性質上、一度使用率が0%になってしまったデッキは永久に0%のままとなるため