Hearthstone環境考察

使用率をまとめたり環境予測をしたりします。Hearthstoneに関連するトピックをゲーム理論や統計学の視点から取り上げ…たりもできればいいですね…

天下一スタッツ祭

ザンダラリの王にして偉大なるトロルの帝国の統治者・ラスタカンが全サーバーのミニオン達に号令をかけた。大いなる攻撃力と体力を見せつけ合う、史上最大のマウンティング大会を目撃せよ。この大喧嘩に飛び込むべく、最強のブラウザと最高のディスプレイを準備するのだ。勝者は全てを手に入れるだろう。読者は?そりゃ無駄な時間さ。

概要

天下一ヴドゥ祭中に使用されたカードのスタッツに着目し、使用率と平均勝率をまとめました。
集計データのスプレッドシートのリンクを公開します。
docs.google.com

備考

・データはHSReplay.netが公開しているものを利用しました。
hsreplay.net
・「全サーバー」の「スタンダード」の「レジェンド~ランク5」で「新拡張解禁以後全て」の試合で用いられたミニオンの集計を用いました*1
・集計は2018年12月15日に行いました。
トークン生成系の呪文*2含めません
・複数のミニオンを生成するミニオン*3は、元々のカードに書かれている1体分のスタッツのみを勘案しています。
・ジョーク記事ですので、真面目な考察は含まれません。

結果

部門ごとの上位(下位)スタッツと、そのスタッツ内の採用率Top3を紹介します。

採用枚数部門

デッキの中に該当するスタッツのミニオンが平均して何枚採用されているか、のランキングです。計算式は

  \sum_{カード \in スタッツ}(カードの採用率)*(平均採用枚数)

です*4


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※グラフにはミニオン全体で2%以上の枚数が採用されているスタッツのみを掲載しています。スプレッドシートの表には全て掲載してあります。


1位:2/2 (1.5枚, 10.4%)

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Top3を見れば納得がいくのではないでしょうか。採用枚数部門でトップに立ったのは2/2でした。
上記のカード以外にも、ゴルゴン・ゾーラ、クモ爆弾、縫い目、エドウィン等のカードが多く採用されました。
枚数制限にもかかわらず上位に食い込むケレセスis何


2位: 3/3 (1.45枚, 10.0%)

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2/2に惜しくも敗れ2位になったのは3/3。
上位のラインナップを見るとテックカードが目立ちます。採用率が極端に高いカードは少ないですが、3/3スタッツのカードが多数存在するため、全体の採用枚数を押し上げた形になりました。


3位: 1/1 (0.91枚, 6.3%)

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上位2スタッツと比べるとやや開きがありますが、3位には1/1がランクイン。
納得の上位陣もさることながら、初級エンジニアやスプリングポー等、タイプの違うデッキにそれぞれ異なる新兵スタッツが採用され、結果としてスタッツ全体の採用枚数が上昇する形になりました。


4位: 3/2 (0.84枚, 5.8%)

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3/3に相打ちが取れるが2/2に相打ちを取られるラプタースタッツは4位でした。
レジェンドながら3/2内の採用枚数ランキングでもジリアックスは堂々のトップを獲得しており、3/2の採用枚数ランクに大きく貢献しているといえるでしょう。


5位: 2/1 (0.82枚, 5.7%)

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5位には2/1がランクインしました。1/1と比べて2/1を積極的に採用するタイプのアグロデッキが少ないことで差がついたのではないでしょうか。


ワースト3位: 7/6 (0.0000152枚)
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ワースト2位: 8/2 (0.000012枚)
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ワースト1位: 9/5 (0.000006枚)
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特に言いたいことも無いのでノーコメントです。

デッキ勝率部門

そのカードが採用されているデッキの勝率の平均です。計算式は

  \begin{align}&\frac{\sum_{カード \in スタッツ}(カードの採用率*勝率)}{\sum_{カード \in スタッツ}カードの採用率}\\
\Leftrightarrow &カードが採用されているデッキの勝率の加重平均\end{align}

です*5


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※グラフには平均勝率50%以上のスタッツのみを掲載しています。スプレッドシートの表には全て掲載してあります。



1位: 2/5 (55.8%)

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天下一スタッツ祭デッキ勝率部門の栄えあるトップは2/5でした。
このスタッツを見た瞬間頭に疑問符を思い浮かべたかもしれませんが、回廊漁り蟲の姿を見た瞬間その疑問は晴れたことでしょう。
新環境で初期から圧倒的な勝率を誇っている奇数パラディンに採用される回廊漁り蟲が2/5スタッツの平均勝率を底上げする形となりました。
ツンドラサイや民兵指揮官など、他の採用率上位カードがそこまで大きく足を引っ張らなかった点も2/5の強さに貢献したといえるでしょう。


2位: 3/12 (54.7%)

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グリズリーのみが含まれる3/12が2位になりました。ミニオンの種類が多いことがむしろデメリットとなる場合のほうが多い勝率部門ならではのランクインですね。


3位: 10/10 (54.3%)

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またしてもスタンダードに於いてメックトゥーン1枚のみが含まれる10/10が上位に。
個人的にこの結果で一番驚くべきは、メックトゥーン軸デッキの勝率が54.3%もあったということです。OTK環境…


4位: 7/8 (54.2%)

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4位には7/8。一応三種類のミニオンが含まれますが、採用率の関係上貢献度の殆どはバクに依るものです。


5位: 6/2 (54.0%)

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LEEROOOOOOOOOOOOY JENKIIIIIIIIIIIIINS!


ワースト3位: 5/10 (37.8%)

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このカードを使いこなせればahirun氏がRTしてくれると思います。


ワースト2位: 0/1 (36.2%)

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最低スタッツがブービー賞を獲得。スタンダードに二種類しかいませんが、スタッツの対価として強力な効果を得られているというわけではないようです。



































ワースト1位: 9/5 (16.7%)

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また君か。








































以上です。9/5を救いたい。

*1:計764体。恐らく使用可能な全てのミニオンだと思います。仮に抜けがあったとしても、使用率が厳密に0であるということなので大きな問題ではないと思います。

*2:例:ジャングルの遭難者

*3:例:メカンガルー、サロナイト鉱山の奴隷

*4:採用率*平均採用枚数によってカード毎の採用枚数の期待値が求められ、スタッツ別にこれらを合計することでスタッツ毎の採用枚数の期待値となります。

*5:そのカードのデッキの勝率に対する貢献度を測定する場合は平均採用枚数も勘案すべきですが、レジェンドカードの評価が難しい点、カードを引くことなく勝率に影響を与えるゲンバク等のカードの評価が不可能になる点など勘案することによるデメリットの方が多いと判断したため、今回は枚数に依らず採用されたデッキの勝率のみを考慮しています。