Hearthstone環境考察

使用率をまとめたり環境予測をしたりします。Hearthstoneに関連するトピックをゲーム理論や統計学の視点から取り上げ…たりもできればいいですね…

7月のデッキ別使用率の変遷

7月1日~7月31日にかけての、デッキ別使用率の変遷をまとめたスプレッドシートを公開します。

 

docs.google.com

 

●備考

・データはHSReplay.netが公開しているものを集計しました。

HSReplay.net - Unleash your potential

・「レジェンド~ランク5」の「過去1日」の人口を、毎日18時頃に集計しました。技術的な問題で集計時間が大きくずれることがあるので、完全に正確なデータを集められたわけではないと思います。参考までに。

・1ページ目が推移のグラフです。横軸が日付、縦軸が割合を示しています。グラフには人口平均上位30のデッキのみを掲載しています。

・2ページ目が生のデータです。こちらには全てのデッキの使用率を掲載しています。

 

 

●雑感

1か月間の使用率の変動に関して、グラフから読み取れることをまとめます。

※使用率の増減に言及する時にあたかも因果関係があるかのような表記をしている箇所がありますが、実際に因果関係が存在するかどうかはわかりません。

 

・ズーの爆発的増加

 上旬に回復ズーが爆発的に流行し、パンデミック状態に。7/1段階では使用者が1%にも満たなかったデッキタイプが、数日で10%を大きく越える使用率になりました。これを受けて、6月は均衡状態に近かった他のデッキの使用率も大きく変動することになりました。

 

・使用率上位デッキの明暗

ズーに不利なデッキタイプは軒並み使用率が下がりました。6月では人気だった挑発ドルイドやミラクルローグ、奇数パラディン等が減少した一方で、ズーに対して勝率の高い偶数ウォーロックやコントロールメイジ、奇数ローグは増加しました。

 

・エッグハンターの登場

エッグハンター(断末魔ハンター)も、ズーから1週間ほど遅れて増え始めました。環境を席巻するほどの感染力はなかったものの、月後半は安定して使用率上位に存在するデッキタイプとなりました。

月末にかけては、ズーに強いがエッグハンターに弱いコントロールメイジの使用率が減少し、逆にズー、エッグハンター、偶数ウォーロックに強い奇数ローグは増加しました。

 

・シャダウォックシャーマンは不変

ズーやエッグハンターの増加に左右されず、シャダウォックシャーマンの使用率は1か月間安定して高い水準を維持し続けました。どちらのデッキに対しても勝率が高くないにも関わらず、シャダウォックシャーマンの使用者の多くはデッキを変えるという選択をしなかった、ということになります。非常に興味深い現象だと思います。

 

・全体的なダイバーシティの減少

月初と比較して、よく使用されるデッキの数は少なくなっているように感じます。月初は3%程度の使用率のデッキが数多くあったのに比べ、月末は2%台前半のデッキが多く見受けられます。例えば、マリゴスドルイドは月を通して3%前後の使用率ですが、使用率の相対的な順位はだいぶ上位になっています。

月初の大きなショックに対してプレイヤーが順応し、月末には強くないデッキが徐々に排斥され、環境が固定化していったという解釈ができると思います。また、6月までの環境は本来排斥されるはずのデッキも数多く使われていた、外部からの侵略に対して不安定だった、といった見方もできると思います。

 

 

以上です。